どうもこんにちは。サラですよ。
本好きさんに50の質問に着々とお答えしています。
どうもわたしは自己紹介というものが苦手です。けれどどうしても自分語りを避けられないことはやはりあって、そんなときは半ば虚無に襲われている気分になります。自分の中に他人に語るべき事柄などないのではないかと。名前や所属など客観的事実を話している間はいいのですが…。
「自分がどんな人間であるか」なんてわたし自身もわかっていないのですから。
反面、この本好きさんに50の質問のように、好きな本について語るのはそれほど苦じゃありません。というか、好きです。
かつて村上春樹さんが柴田元幸さんとのインタビューで、「自分自身について説明してもらうよりも、うなぎについて何か文章を書いてもらった方が、その人の人柄なり考え方というのはよく伝わる」といった主旨のことを発言していらっしゃいましたが、それと同じことなのかもしれませんね。
それでは本日のお題ですー。今日も2問お答えします。
Q06. 映像化して欲しい(あるいはされた)、おもしろかった本を2冊教えてください。
サイダーハウス・ルール〈上〉 (文春文庫)
ジョン アーヴィング / / 文藝春秋
ISBN : 4167309645
再びアーヴィングさんの登場です。孤児院を舞台にした物語ですね。アーヴィングの小説は詳細なディティールと言葉の言い回しにおかしみがあると思うのですが、これらは映画では表現しにくいですものね。アーヴィング原作の映画はアーヴィングファンにはあまり評判が芳しくないのも、まあうなずけます。『サイダーハウス・ルール』に関しては、映画は映画でコンパクトにまとまっていてよかったと思います。主人公ホーマー役のトビー・マグワイアもよかったですし、音楽も。それにリンゴがとても美味しそうだった。わたし好みの白くてちょっと酸っぱめのリンゴで…。話がそれましたが、ホーマーといい、ラーチ先生といい、メロニィといい、愛すべき人間が多くでてきます。
現在、同じくアーヴィングの『未亡人の一年』を原作にした映画が上映されていますが、小説とは趣を異にしている感じがしますね。広告を見ただけですが。
嫌われ松子の一生 (上) (幻冬舎文庫)
山田 宗樹 / / 幻冬舎
ISBN : 4344405617
中谷美紀さん主演で来年上映されます。中谷さんはわたしが大好きな女優の1人ですごく期待。映画を先に観るか原作を先に読むかという問題がときに持ち上がりますが、松子に関しては原作先行という形になりました。帯の中谷さんの写真が美しかったので購入せずにはいられなかった。そしたら読まずにはいられませんよね、普通。
松子は能力は高くて、目標さえ定まればそれに向かって努力を注入していける人です。その目標がスーパーのレジ打ちであれ、トルコ嬢であれ、美容師であれ。ただ主体性が薄いというか、いきあたりばったりというか、歯車が悪い方へ噛みあっていったという感じがしました。何はともあれ、映画が楽しみです。
Q07. 読んで泣いてしまった本を2冊教えてください。
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)
山崎 豊子 / / 新潮社
ISBN : 410110428X
日航機墜落事故が描かれたノン・フィクションです。白状しますと3巻目しか読んでいません。そして正直もうしばらくは読みたくありません。辛いから。読んでからは毎年8月の慰霊の模様を送るニュースを見ても、特別な感慨を抱くようになりました。ボイスレコーダーも聞きました。墜落原因には諸説ささやかれているみたいですが、この先真相が表に出ることはないのかもしれない。だからこそわたしたちは『沈まぬ太陽』のような小説を必要としているのでしょう。
ガープの世界〈上〉
筒井 正明 / / 新潮社
ISBN : 4102273018
またまたまたアーヴィングさん。この『ガープの世界』にもおかしな登場人物が満載です。わたしはガープの息子、ダンカンへ感情移入してしまいます。エピローグが古きよき時代の小説の雰囲気を醸し出しています。
ちなみに「ガープの世界」の原題は”The World According to Garp”。
はい、このブログのタイトル”The World According to Sarah”はガープの世界のパクリです。わはは。直訳すると「サラによると世界は…」って感じですね。